リレーエッセイ 松本裕子 第26回
『沢山の感謝』
松本裕子






思いがけないタイミングで同じ年の山内さんからバトンを受け取り、何を書こうかかなり迷っています。遠征・イベントがあるたびに「これでどうじゃ!」と厚書きしてるので、実は書く題材が見当たらないのです。将棋を指すようになったきっかけも、サロンに入れていただくまでのいきさつも、出場した大会についての思いも、エッセーのバトンがまわらなくても勝手に書いてしまっているので、どうしましょうと・・・・・。

 悩んだ結果、裕之介の日常(どっかで見たようなフレーズですが・・・)、未来の目標、サロ中広報部についてを、ニトロ取締役推奨の3部作風に書くことにします。


 〜リレーエッセー・第26回  『沢山の感謝』〜

(1)日常
 31歳から将棋をはじめ、もうすぐ棋歴2年。しかし未だに倶楽部24では13級のまま。4間飛車しか指せず、6枚落ちで勝つことさえままならない。「志高き」集団というサロ中の雰囲気・緊張感が心の底から大好きで、自分が支部会員であることを誇りに思っています。なので、なかなか上達できない現状がとてもとても悔しいです。「サロ中の支部会員であるれば強くなる」という他力本願的な意味ではなく、「支部会員である以上、お互いに切磋琢磨する」という愛するサロ中のポテンシャルを自分の存在によって劣化させたくないと感じます。なので、1歩ずつ確実に強くなりたい、と強く心に宿る思いがあります。
 支部会員になった当初は、漠然とそう思っていたものの、日常の生活の中でなかなか将棋に時間を費やすことはできず、だんだん自分に甘くなり、夏には「まあ四間飛車の形に駒が組めればいいかあ。そのうちなんとかなるでしょう」などとすっかり流されてしまっていました。が、初の交流戦を経験すると、その真剣な雰囲気と気迫を目の当たりにして、自分が同じ空間に存在しながらも共有することができないという現実を痛感しました。交流戦を機会に「将棋が好き」という気持ちから「強くなりたい」というひとつ上の気持ちになった気がします。「強くなりたい」という気持ちと「将棋が楽しい」というまた少しピープル的な気持ちが混ざったのは、5人の心がひとつだと感じることのできるチーム「UR」結成がきっかけでした。そして奇跡的な「決勝戦全勝にて優勝」という感動が「いつも将棋に触れていたい」という気持ちを生み出しました。誠之介殿の「1人1人があってのUR」という言葉は、常に裕之介の心の奥底に刻まれ光り輝くお守りのような言葉です。再会の瞬間までに少しでも強くなりたいと思い出すたびに背筋が伸びる尊い重い言葉です。
 1年前の私を思い出すと、1週間に7局指せばいいほう、詰将棋は解かなきゃいけないなあと思いながらも1手詰なのに解けないと嫌になって手が伸びない、将棋の本を読めばいいのにとわかっていても時間があればネットサーフィン優先。ところが今の私は違います!至高のピープルには「それがなにか?!それ普通のことじゃん」って笑われるかもしれませんが・・・。どんな日常かというと・・・・・・
------<裕之介の日常>------------------------
・出勤時の信号待ちで、5手詰パラダイスを1問目から解きなおす。そして信号待ちの間に何問とけるか、毎日毎日、記録更新が楽しみ。(もちろん運転中なので安全には充分、気をつけています)
・退勤時は暗いので、詰将棋を解きながら運転。(きっと運転しながら眉間に皺がよってるような・・・)
・夜のネット対局は、雑にならぬよう上限を5局に設定。(この土曜日にそう決めました)
・毎日最低でも1/2局は棋譜並べ(駒を使っての棋譜並べです)
・詰将棋の問題を片手に入浴(解けるまで入っているとのぼせますので気をつけてます)
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 「自分の決め事」というより「超自然現象的行動」になってることが自分でも不思議でなりません。時間が少しでもあれば詰将棋を眺める、それがごく当たり前の日常になるとは、思いもしませんでした。

(2)未来の目標
 女王戦まで残り約1ヶ月。1月30日から1日1局棋譜公開するのが楽しくて自分の日記に記しています。ネットサーフィンで一番嬉しいのは棋譜にコメントが入っていたとき。もちろん自分の棋譜をながめて反省するのですが、結局、自分の視線レベルの風景しか見えません。もっともっと上から見下ろせば沢山悪手・最善手が見えるのでしょうが、私には全く見えません。未知の世界ですから。なので、上からの風景=コメント・アドバイス・叱咤激励は開眼することばかり。貴重なお時間を割いてのご指導、本当に嬉しく心から感謝してます。
 私の中では女王戦に向けての努力というのは興奮剤のひとつで、もっと先には自分なりの目標があります。長期計画ですが具体的なものでは「いつか平手で大下さんに勝つこと!」。そして漠然とした夢は、いつの日か、四間飛車だけでなく「石田流」や「矢倉」も指せるカッコいいアマチュア棋士になりたいと思っています。対局態度もどんなに苦しい場面でも穏やかに優雅にクールに指せるような精神的強さ も身につけたいです。角を巣抜かれても「それがなにか?!」と微笑む余裕があるくらいになりたいです。(実際は巣抜かれるようじゃ困るんですが・・・。)また眼に見える数字として倶楽部24の5級になることも目標のひとつです。響乃介はあっという間にクリアしたので、時間さえかければ裕之介にもできないことはないだろうと思っています。もちろん今、この瞬間の目標は女王戦C1クラスにて1勝す ること。これからも毎日毎日しょぼい棋譜をアップしますので、翔丸さんはじめ講師の皆様、通信教育指導、どうか宜しくお願い致します。

(3)サロ中広報部
 通信教育指導を受けられるなんて、本当に恵まれた環境にあるのだと感謝しています。サロ中の掲示板は沢山の人が訪れる掲示板。そしてその交流の恩恵のひとつとして通信教育指導があるのだと思います。サロ中掲示板の根底にある大きな柱は、管理人である若林さんの人徳・人望の厚さだと思います。若林さんから広がる人脈の枝葉、その伸びた枝葉を明るく照らす太陽的役割の支部長の存在、時には厳しく激しく降り注ぐこともあるけどなくてはならない雨・水分的役割の館長。全てがサロンの大切な要素だと思います。
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HP全般記事&掲示板の管理人→→→ニトロ取締役
デザイン・製作→→→裕之介
主役→→→支部会員の皆様&投稿・閲覧してくださる皆様
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 裕之介がHP製作担当してますし掲示板出没率が高いので管理人と間違われやすいのですが、私が管理人では全くの役不足です。サロ中の掲示板は顔の見える掲示板。それは今まで築いてきた心の交流があってのこと。そういう現実世界での人と人とのふれあいの延長線上にサロ中掲示板があり、そしてまた、投稿してくれるからこそ盛り上がる、だから楽しい、毎日見たくなる、投稿したくなる、だから楽しい・・・と繰り返されて開設1年を待たずしてスレッド「1000」達成となりました。「掲示板」が全ての源であり、その盛り上がりに花を添えようと結果報告のページを設けたのがサロ中HPの出発点。はじめに「掲示板ありき」「心の交流ありき」です。
 勝手に名乗りはじめた「サロ中広報部」ですが支部長&取締役にも黙認していただけ、今ではすっかり定着してきました。製作・管理作業を支えているのはただただ純粋に「サロ中が大好きという気持ち」だけです。大好きなサロ中の記事をネット上で自分の好きなデザインで表現できること、それは個人的趣味を超えた喜び&充実感を得ることができます。広報担当としてHPを作る立場にいられることに感謝の気持ちでいっぱいです。「情報の速さ」をポリシーとしてこれからも誰にも譲れない裕之介のライフワーク、サロ中広報部の活動を心から楽しみたいと思っています。

 今までの「全て」に心の底からの感謝の言葉、そして、これからの未来もこの感謝の気持ちを忘れずに愛するサロ中とずっとずっと一緒に歩みたいと思います。


 さて、裕之介からエッセーのバトンを託すのは、HM/HR同志でもあり、お互いにTVのない生活を長年過ごしている仲間、サロ中の後輩にあたる!?「古賀一郎」さんです。長々と乱文にお付き合いいただき、ありがとうございました。




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