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 第13話 『親子熊 
       第一章 高校デビュー 茨城春季大会 In水戸一高』


 まずは夏の高校選手権の予選を兼ねた茨城春季大会です。
出場するまでに色々ありました。すなわち、将棋部に入るか否か。吹奏楽部にも所属するか否か。どうやら将棋部の先輩はポッチャリ系やオタク系であったらしく、今時の女子高生には余り人気がなかったようでございます。(ポッチャリのどこが悪いねーん)と自分の腹なんぞに目をやりながら心の中で叫んでみたりいたしましたが、まぁそれはそれ。その後紆余曲折ありましたが、結果的には親思いのカオリであった、ということで。
さて、あっという間に大会当日。当然の如く観戦に行きました。場所は水戸一高。
この日まで女子の代表枠は2〜3名だと思い込んでおりました。会場で聞いてビックリ。代表は1名というではありませんか。茨城には大本命の、全国屈指のSさんがおりまする。(え〜!Sさんに勝たなきゃ駄目ってことー!?何で代表一人なのー)と、どうも予算を1名分しか取っていなかったようでございます。(注2)
(なんでやねーん)という親の勝手な思いはさておき1回戦。カオリ対水戸一高のYさんです。ハラハラドキドキでしたが、何とか勝ち。カオリ高校将棋初勝利です。
ところでカオリの実力ですが、小学校の頃から余り変わらずで、女王戦は大体C2クラスで3−2。まぁ年に20局も指せば良いほうでしたからね。小学校の頃、大会前に棋譜を百局並べさせた後は結構筋良くなっていたんですが、ネットやるようになってから筋悪くなり、この頃倶楽部24では12〜14級を行ったりきたりでございましたが、ある時女流プロのTシマさんから「とにかく攻めなさい」というシンプルかつ的確なアドバイスを頂き、なーんとなく棋力向上中でございます。
2回戦(と言っても出場3名に付きリーグ戦です)、いよいよカオリ対Sさんです。
対局前に観戦に来ていた育成会のKさんが「Sさんは、くまのすけさんの娘さん登場ってことでかなりビビッてますぜ(表現やや誇張あり)」と報告してくれます。(うーん。実力大差なんだけどねぇ)
対局前にふと思い立ってカオリを呼び作戦を授けます。「中飛車で行ってみそ」「ラジャー」
ちなみにカオリは中飛車は生まれてから1局も指してません(笑)。
いよいよ対局開始。カオリ作戦通り中飛車に構えます。対してSさん飛車先を伸ばしてきます。と、カオリ角道止めるの忘れてます。(およよよよよよ・・・)ところがSさん超慎重。ゴキゲン中飛車を恐れてなのか、研究範囲と見てなのか飛車先を交換してきません。ビビッてる様子は勿論ありませんが、かなり警戒してる模様でございます。代表枠1名ともあればさもありなん、というところでございましょうか。
カオリは一心不乱に穴熊に囲います。Sさんも乱戦になるよりは得意形にと4四銀と上がり角道を止め、Sさん十八番の串カツ囲いに。角交換できなくなったんで、7七角上がっとかないと今度こそやばい(飛車成りが防げない)のですが、気が付かず左金を穴熊にくっつけます。
(やべー)と心の中で叫びましたが、Sさんは尚も(罠?)と思ったのかどうか自重して攻めて来ません。と、カオリですが、穴熊が3枚になり、さて、と左の方に目をやって、飛車先が危ないのにようやく気が付いたようでやっと7七角。(ふー)心臓に悪いっす。もしかして、ずっと見てると体に悪いかも?と気が付き、辺りをぐるっと回って戻ってくると......。
おお何故か必勝形!?どうやら左銀を6六に繰り出し中央で角銀総交換。飛車も先に5筋に成りこんでるし。更に穴熊3枚そのまま四角いし。人生万事塞翁が馬、案ずるより生むが易し、結果オーライとはこのことか。もしかしたらもしかしちゃうかもー!?
ここでSさん相手に優勢になっている子がいる、という情報が会場中を走った模様であちこちの先生がどれどれと見に来ます。カオリの学校の先輩達もビックリした顔で集まり無言の声援。更に男子個人戦の優勝候補筆頭のT君も来て「娘さん必勝じゃないですか。勝ちますよ、これ」と嬉しいことを言ってくれます。
まぁ、しかしながら力の差を考えれば、やはり良くても互角の形勢だったんですね。ここからSさん地力を発揮。カオリの攻めをいなしながらスキを見て徐々に攻めて間合いを詰めてきます。その後、カオリも相当頑張りましたが、結局は逆転され、そのまま終局と相成りました。うーん。残念なり.....。
 カオリ1年生の春、代表ならず。無念の敗局ではございました。


注2. 後日の調査?で判明したことだが、各県からの申し込みは前年度2月にしておかなければならない。つまり次年度の申し込み人数を予想し枠を取っておく、ということ。ちなみに本来の枠は3名。